サガットさんの新時代がキターーッ。
サガットさんについて書いてみたい。
彼は男の世界の頂点に君臨してきたムエタイの王者。
ストリートファイターという世界観にはなくてはならない正統派の格闘家。
彼の人生は、サクセスストーリー無くして語れない深みを感じさせられる。
格闘技というものは本来、王侯貴族の娯楽として生み出された競技。生きるか死ぬかの戦いを命がけで実践することが宿命。
彼はおそらくタイの貧民街に生まれ、立身出世を願い故郷に錦を飾ることを夢見てファイターの道を歩んできた格闘家。
やがて王者になった彼は貧民街の子供たちに希望と勇気を与える英雄としての役割を担ってきたのだ。
サガットさんはストⅠのラスボスだ。ラスボスは倒されるのが悲しき宿命。ストⅡに再登場した彼のかつての栄光はリュウさんに刻まれた胸の傷跡によってかき消されたことを物語っている。
要するに、ストリートファイターという世界観をもっともリアルに熱く深く関わってきたサガットさん抜きでストリートファイターを語ることはできない。
リュウさんの物語は、サガットさんを破ったがゆえに向けられた怒りと復讐の目がリュウさんを貫いたことから始まる。
それがリュウさんにとって「最強の格闘家」ではなく「真の格闘家」とは何かを問い始めるきっかけを産み、ストシリーズに一貫したテーマとなってゆくのである。
リュウさんとサガットさんを語るとき、ふたりの間には春麗さんの存在さえ介入できない世界観がひろがる。
ただ、純粋な男の世界。女の立ち入る隙のない世界。本当は戦いの世界はそういうものなのかもしれない。
長年リュウさんが女性を寄せ付けないストイックなイメージがつきまとっていたのは、単に彼が男同士の戦いの世界観の中で生きてきたからだと今ならわかる。
リュウさんはサイキッカーでもなく、ファンタジーでもない生身の格闘家。ゆえに彼を軸にして戦いの世界を描く上で、「女子高生ファイター」を同時空間の同じ土俵に上げて語ることはできなくなる。
そんな男たちの戦いの世界に唯一、中国拳法使いの春麗さんが颯爽と現れたのがサガットさんを破った後の世界。それがストⅡ。
彼女は男の生きる世界に女の身で飛び込んだ格ゲー界の初代女性ファイター。彼女は格闘家としてのスキルを身に着けた女性として生み出された。父を探すためという大義名分のもとに。
初期設定は世界観の軸。ストシリーズは格闘家同士の戦いの世界。魔法使いとか妖術使い的なキャラはのちのシリーズに派生したキャラであって、軸はあくまでもガチの格闘家たちによる世界観。
サガットさんは初代ラスボスとして軸の中心にいたキャラ。それゆえ彼を超える貫禄を備えたキャラは存在しない。たとえベガ様であろうとも。
サガットさんが王者として輝いていた時代はストⅠが生み出された昭和62年。サガットさんを語ろうとするとき、なぜか脳裏に流れてくる楽曲がある。
「チャンピオン」
昭和のフォークデュオが歌う年老いた王者と若き挑戦者との物語。
男と男の戦いの世界。それは男性性の極致の世界。この2000年間の惑星の運行によってもたらされた戦いと対立の世界。
そんなサガットさんがこのたび佐賀県とコラボした情報をゲット!!
傷ついたかつてのチャンピオンは時空を超えて物質化現象を起こしたのであります!
30周年を迎えたカプコンの格闘ゲーム「ストリートファイター」シリーズが、佐賀県とコラボレーション。人気キャラクターのサガットによるコラボ名産品ショップ「佐賀ット商店」を東京・銀座で1月22日から28日までの期間限定でオープンする。
銀座まで行ける方は是非お立ち寄りを!