リュウと春麗の萌え日記   (そま)

リュウと春麗の萌え日記

リュウさんはみにくいアヒルの子だった!?

女は男を減算方式で見るという。

つまり、好きになった時点で運命の人!と思い込む。

付き合えた時点で100点を与えるが、

だんだん相手を知るにつれて減点していくという。

 

しかしリュウさんは最初っから職も家も財もなく、

殺意の波動を発動してしまうというメンヘラ体質。

あるのは餓死寸前であろうがボスキャラにボコられようが生命力で乗り切る強さだけ。

 

ライバルのケンはリア充の極致にいて、その対極に位置するリュウさんは主人公にしてはあまりにも悲惨な設定。

 

そんな男に彼女ができるはずがない。だから同性からも妬まれない。

 

こんなに恵まれない主人公だというのに、やたら支持されているのは、優越感を与えるキャラだから。

 

人間というものは、自分よりも哀れに思う存在に対して優越感を抱く性質がある。

 

でも気を付けて。優越感を抱いた時点で負けてるの。

 

無意識レベルで相手に取り込まれているから。すでに相手の引力に引き込まれている。

 

だからリュウさんの引力はすさまじいの。

 

反対に、自分よりも優れた存在に対して抱く感情は、劣等感とそれに付随する嫉妬心。

 

劣等感と嫉妬心は引力の反対。反発のエネルギーだから。

 

でも、劣等感と嫉妬心を抱くということは、自分から白旗を上げているのと同じなの。

 

優越感と劣等感。

 

二元性というのは、かくも人間を矮小化してしまう小さなものさしなのである。

 

 

女は男を減算方式で見るという。

つまり、好きになった時点で運命の人!と思い込む。

付き合えた時点で100点を与えるが、

だんだん相手を知るにつれて減点していくという。

 

自分を採点の対象外に置きながら、男を無意識に点数化してしまう女というものは、かくも悲しき傲慢な生き物なのである。

 

なのに、リュウさんはベガ様を倒しちゃったものだから、女たちのリュウさんを見る目が180度変わってしまったはず。

 

女は減算方式で男を見るというけれど、すでにリュウさんはもともと0点。

 

だから彼の場合、加算方式で女の見る目をどんどん変えていく男なのである。

 

 

では男はリュウさんをどう見るか?

 

これまで優越感を与えてくれる悲惨なキャラだったのに、ベガ様を倒して世界一の強者となってしまった。おまけにメンヘラ体質も改善してしまった。

 

まるで、みにくいアヒルの子

 

優越感から一気に反転したとはいえ、劣等感と嫉妬心を抱くレベルを超越してしまったがために、彼を見る目は羨望へと変貌する。

 

これほど明確な逆転劇を現象化した主人公は他にいない。

 

だからこそ偉大なキャラなのであろう。

 

偉大な不世出の格闘家をどう書くのか。

 

リュウさんを書くことは難しいけれど、そこがおもしろい。

 

創作という自由。表現の自由を与えられていることに今さらながら、感謝。

 

拙ない筆者の作品を読んでくださる方がおられることにも感謝なのであります。

 

今取り組んでいる小説を書いている合間にこの記事を書きました。

 

夏休みの宿題も、これくらい面白く取り組めたらいいのにと思った今日この頃。

 

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