リュウと春麗の萌え日記   (そま)

リュウと春麗の萌え日記

30歳未満のリュウさんに愛の手を。

昨日『君の名は。』の小説を読了しました。

 

 

新海監督さんご自身の手によって書かれた小説でした。先に映画を観ていましたので、文字を追うごとに映像がありありと脳内に投影され、音楽がまことしやかに流れてきました。

 

 

「映画は原作(小説)を超えられない」というけれど、そんなことはない。内面描写は映画でも十分に表現されているから、むしろ映像美をあますことなく味わえる映画のほうがお勧めできる作品だと思いました。

 

 

いまどきの17歳の男女の心象を、よくここまで書いておられるなあと思いました。筆者はどうも書き手側の立場で読んでしまう。なるほど、こういう風に表現するのか~と。

 

 

男と女を同時進行で読ませる一人称小説。たいがいは内面の世界観を深く掘り下げて書くが、17歳だからそこはさらりと。だからリズムよく読める。

 

 

17歳という設定が、この作品の勝因だと思う。17歳は少年少女のカテゴリーを卒業した青年二年目 。これが青二才の強みであり弱みでもある。

 

 

17歳という限定的な年齢ははっきり言って、人生最強の年齢。なぜなら、体力は言うまでもなく、怖さを知らず、責任を負わず、若さの途上にあって、完成手前にも満たないもろさをはらみつつ、自分は何でも知っているという傲慢さの極みは行動力へと転換され、身体知を体得してゆく年頃だから。

 

 

これが18歳ともなれば、受験というリアル社会の枠組みに収まらなければならない現実が要求され、タイムリミットを示されるがゆえに、もがきながらも受諾されてゆく。17歳まで許されていた無邪気さと無謀さはやがて息をひそめ、そのまま賢く大人になってゆく。

 

 

大ヒットした創作物の主人公はたいてい17歳。世界を相手に、恐れず冒険できる臨界点。

 

 

ひるがえって、わがリュウさん。彼は初出のスト2の時点ですでに27歳。体力が物言う格闘家としてのピークはとうに過ぎている青年シニア。なのに彼は「俺より強いやつに会いに行く」というキャッチフレーズで生み出された修行中の格闘家なのである。

 

 

おそらく、リュウさんの場合は17歳じゃあ、ダメだったんだろうと思う。青二才の格闘家なんて、幼稚園児が描いた絵のようにあまりにもチャチなのだ。

 

 

要するに、27歳という年齢は、格闘家としてはすでに辛酸をなめ、自分の力量を痛いほど思い知り、人生の転換を迫られ始める年ごろを超えてもなおかつ、格闘家として生きてきた道を変えられず、もしくは突き進んだ以上はどうしても求める答えが知りたいがゆえに、格闘家をやっているという格闘家である必要があったのだろう。

 

 

さらに彼の場合、殺意の波動なる呪いがかけられている。一般論なら、格闘家をやめちゃえば治る。カウンセラーなら「ほかの生き方をしてごらん」と言うだろう。精神科医ならば統合失調症の薬を処方するだろう。彼は、世間では「ビョーキ」なのだ。

 

 

しかし、彼は格ゲーの主人公なのである。

 

 

彼を取り巻く登場人物に、誰一人として「正論」を「アドバイス」するキャラはいない。現実主義者のケンでさえ、リュウさんに助言ひとつしない。むしろ内心、狂ってしまうほど格闘の世界にのめりこんでしまったリュウさんをうらやんでさえいる。

 

 

リュウさんは27歳。あえて27歳。Ⅳで28歳、その後がⅤだから、29歳未満なのか29歳以上なのか? いずれにせよ「青年」とは、30歳未満までをいうらしい。彼はぎりぎり青年ではあるが古参の格闘家であることはまちがいない。

 

 

しかし彼の住まう二次元世界は実に都合よくできており、年長ファイターは案外少なくない。壮年はともかく、老年もいる。その場合、人間離れしたキャラ設定ではあるが。

 

 

要するに男性にとって30歳未満というのは一般的にまだ挑戦が許される。もしくは結果を見極めようとする猶予が与えられている年齢なのかもしれない。

 

 

三次元世界では一般的に30を超えると現実を否が応でも直視させられ始める。親がとやかく言い始める。とかいうめんどくさい年齢。

 

 

しかしリュウさんは社会の枠組みに収まらず、親兄弟もないがゆえに、制限されるものが何一つない。しかし殺意の波動をひきずれば、間違いなく豪鬼化してしまうことは明白なわけで。

 

 

筆者は初代スト2を手にしたとき、27歳なの?と思ってしまった。だって当時の筆者は人生最強の女子高生。はっきり言って27歳など論外、のはずだったのに・・・。

 

 

今なら27歳の理由がわかる。社会に出て若気の至りも体験し、世間というものがわかってくる頃。無茶とか勢いだけの怖さも、先を読む知恵も、自分のスタンスを客観的に見る賢さも身についてくるのが27歳。逆に論理的戦術を携えて挑戦できるのも27歳。けれど彼の場合は少々事情が異なっている。

 

 

リュウさんには世間も常識も一般論も通用しない。彼を縛り付ける要素は何一つない。そして彼自身、帰属意識がまったくない。だから豪鬼化してもまったく問題ない、のにである。

 

 

彼、豪鬼化するのはいやなんだ。

 

 

どんなに強くても、鬼みたくなりたくないらしい。非情になり切れないから? それは弱さ?

 

 

男がたった一人で、生涯男としか関わらずに生きて、衆道に染まらず、外道にそれず答えを見いだせるのならば、すでに悟っている人。でもリュウさんまだ悟れてない。かといって鬼になりきれない。じゃあどうするの?

 

 

君の名は。』の17歳の主人公はとっくに知っていた。魂が自分のかたわれを探し求めていたということを。忘れていた記憶の中で求めていたのは、陰と陽の再会。17歳でこれを物語の主題として演じていた「瀧くん」と「三葉」さんは、実はすんごい大人だった。

 

 

17歳のときに体験した物語は、やがて忘れ、5年たってふたりはもう一度出会ってストーリーは幕を下ろす。

 

 

それでも22歳。瀧くん22歳だよ~。三葉さんは25歳。・・・三つ年上なのかあ。それもいいよね~。

 

 

・・・。

 

 

ああ~~~。。。

 

 

25年間も浮かばれないリュウさんにどなたか愛の手を・・・。

 

 

愛の手?

 

 

春麗さんが差し伸べてくれたね!!!!

 

 

で、リュウさん、春麗さんと握手してすんなりベガ様倒しちゃったよ??

 

 

で、それで終わりじゃあないよね!?

  

 

リュウさん、もちろん春麗さんに突き進むよね???

 

 

だって、今まで答えを求めてまっしぐらに来たんだからね!! 当然、春麗さんにまっしぐらよね??

 

 

17歳の瀧くんがそれをやってのけたんだからね!! で、観衆は感動の涙を流したんだからね。

 

 

Ⅳで「いのちを生み出す力」に気づいたリュウさんは、やっと見つけた春麗さんと「いのち」を生み出さなきゃ、答えにならないんだからね!!!

  

 

Ⅴでは何気に春麗さんの生みのお父様によるウェディングドレス姿が開示されちゃってたんだよ??? それって、娘を嫁に出すってことだよね?? 

 

 

ちなみに、リュウさんが29歳だとするならば、4歳年下の春麗さんは25歳!!「お年頃」なのであります!! 「お年頃」って、何だ!?

 

 

さ~あ、今後の展開は期待「」ですな~~~!!!