リュウさんに最適な女性は誰デスか?
連載短編小説をHPにアップしました。
もう小説は書けないな~と思っていたのに突然思いつくものなんですね。
いつもながら自分で書いていながら誰が描いたんだろうね~?というような気分です。
筆者の春麗さんは典型的なA型さんタイプ。恋愛に臆病なのに、相手がリュウさんじゃあ、気づいてもらえなくて悶々としてそう。
かといって、リュウさんは女性に追われるのは苦手そうだし。やっぱりリュウさんから春麗さんにぐいぐい行ってもらわなきゃあ、成り立たないね。
リュウさんの春麗さんに対するアプローチってどんなんだろう!?やっぱり試合申し込む形式かなあ? もどかしいね~。書いててむずむずするわ。
そういえば春麗さんと対照的なキャラってララさん? ジュリさん?
ララさんはリュウさんとは果てしなく釣り合わなさそう・・・。ララさんのごり押しにどこまでリュウさんは耐えられるだろうね?
ジュリさんは「つまんねーの」って言いながらもかまって欲しいのに、構ってもらえずにキレちゃいそう。
さくらちゃんはとってもかわいくていい子。だけどリュウさんに対して背伸びして頑張りすぎちゃうかも。
ミカさんはザンギエフ様ひとすじだし、いぶきさんは高校生だから対象外だなあ。
リュウさんは日本男児だから金髪女性とはまったく釣り合わないよね。
あと誰かいましたっけ?
やはりリュウさんと自然体でいられる女性は初代からずっと一緒の春麗さんだけです。
寡黙なリュウさんと、同じ空間を言葉を交わさずとも分かち合えるという絶対的信頼感がある。何よりもお互いを尊敬しあっている。
このふたり、ずっと平行線だったのに、ストⅤで急接近!!!
そういえば、春麗さんの髪の色は黒。リュウさんと同じ髪色。これはカップルの暗号かもしれないよ?
ケンとイライザさんは金髪組。
子どもの髪色は何色でしょうね~。わかる方、います??(笑)
想像は夢があっていいね。未来がある!!
リュウさんと春麗さんのこれからの時代
2680年間、ずっと戦いの時代を生きてきました。
だから学校でも会社でも、競争、駆け引きをした方が勝つ時代でした。戦いの時代だったから。
でもね、もう戦いの時代は終わるんだよ。
競争しなくても駆け引きしなくても、自分に与えられた場で周りを幸せにすればいいんだよ。
にこにこして、ちょっとのことでも喜べて、つまらないことで怒らず笑っていれば、周りの人たちが寄ってくるんだよ。
頼んでもいないのに、お客様が来てくれるんだよ。
なんで?
それはあなたが神様になったから。
あの人のところに行けば心が明るくなれるって、思ってくれたならもう、あなたは神様。
なぜってもう、戦いの時代は終わったから。
ニコニコしていれば出し抜かれる時代は過ぎたんだよ。奪い合いの時代はもう終わったんだよ。だから与えてあげようと思う気持ちがあるところに神様は降りてこられるんだよ。
今日、こんないい話を聞かせてもらいました。
すっかり心がうれしく明るく軽くしあわせになりました。
筆者はね、小さいころから競争が苦手でね、勝ちたい人にどうぞっていつも譲っていたの。
だからスポーツはしたことがないの。運動音痴だしね~。
だから格闘ゲームってジャンルは無縁だと思ってた。
なのにリュウさんに出会っちゃった。
それから25年間もお付き合いさせていただいちゃった。
リュウさんが探していた答えって、競争とか勝ち負けじゃあないんだよ。
そうでなきゃ、25年間も答えを探し続けられないよね。
ようやくリュウさんは答えを見つけたんだと思うよ。
だからこれからのゲームの世界観も変わっていくと思うの。
勝ち負けじゃない楽しみがあるんだってことがわかりはじめるんじゃないかな。
やっと、のんびり屋の筆者にとって、ホッとする時代が来たんだな~と思うの。
リュウさんと春麗さんが戦わないで仲良くイチャイチャラブラブしていたら、みんながと~っても和むよね。にこにこしちゃうよね。そうだとうれしいな~と思います。
ありがとうございます。
連載小説 あとがき
連載小説 その1から読む!
拙ブログの裏サイトであるHPを開設したのが2016年9月。それから2017年12月までの一年三か月間。
これまで訪れてくださいましたみなさまには、心より深く感謝申し上げます。
いつも本当にありがとうございます。
一年三か月の間に短編小説や暗号解読などいろいろ書かせていただきましたが、筆者にとってやはり原点は1992年7月に出会った初代ストⅡだったのだなあ、と改めて思い至っております。
本当にいろいろな気付きをいただいたおかげさまで、様々な体験をさせていただきました。直近では、連載小説という初の試みを思いついてしまい、書かせていただきました。
HPは裏。ブログは表。ということでいろいろ書かせていただいて、本当に楽しかったです。
ところで隆春カップリングは本当に認知度低くてファンの方も少数なのですか?
1992年7月にすでに隆春ができあがってしまっていた筆者にとっては当たり前すぎて信じられないのですけれど(笑)
ゼネストでリュウ春はアリ!となったのでは?と思いましたし、近頃では春麗さんのウェディングドレス姿のコスチュームまで登場しましたし、隆春は認知度アップしたのかなと思っていたのですが。
これでリュウさんがなぜお婿さん候補にあがらないのか、不思議なのは筆者だけなのでしょうかね??
リュウさんはベガ様を最高の形で倒され、春麗さんを素晴らしく守り抜いたのですから、堂々と花婿さんになっていただきたいです。
とにもかくにも、これからはリュウさんの時代が来たのだな~と思います。
さて、連載小説のあとがきですが、12月の後半にふと、連載形式で書く短編小説を思いついてしまいました。
これまで書いたことがない形式で、これまで書いたことのなかったストⅣの物語を書いてみたいと思いました。
ちょうど公式のトレーラー動画にかわいく美しく女子力高めな春麗さんのお化粧シーンを見てこの連載小説を書きました。つたない文章ではありますが。
実はこの連載小説はおわりではありません。これからがはじまりなのですよ~!
ここで、宣伝させていただきますね。
人生初、なんと筆者の文章がイオ様の本にのせていただいたのです!!
実はイオ様の隆×春麗アンソロ本というたいへんすばらしい企画に恐れ多くも寄稿させていただいておりました。夢のようです。25年前の自分に教えてあげたい!!
豪華な執筆者様方のなかに参加させていただいたことは大変ありがたいことだな~と思います。イオ様本当にありがとうございます。
リュウさんと春麗さんが大好きな方はぜひお手元にしてくださいね。
筆者も楽しみにしております。
ところで筆者は一度もコミケに行ったことがないのです。そんな素人がアンソロ本にのせていただいているなんて、本当に信じられません・・・。お客さんとして買いに行きたいです!!
残り僅かな2017年の終わりにこのような楽しみを与えてくださって、本当に感謝です。
楽しみだな~!!
連載小説 その9
連載小説 その8
連載短編小説
春麗の女子会
~SFⅣエンディングからSFⅤゼネラルストーリーへ~
9
「でも、リュウはわたしのことなんて眼中にないわ。少なくとも中国拳法使いの女刑事としか思ってないはずよ」
「それが彼の盲点ね。格闘に没頭するあまり、事の本質を見失っているから殺意の波動から抜け出せないのよ」
「アリスって、どうしてそんなにリュウのことがわかるの?」
「こういうことは、当事者よりも観察者の方がよくわかるものなのよ。彼は今、自分しか見えなくて苦しんでいるのよ」
「そんな彼をどうしたら助けてあげられるのかしら・・・」
わたしはリュウのためならどんなことでもしてあげたい思いに駆られていた。アリスが言っていたように・・・。
「彼自身であなたが運命の女性だと気づかなきゃ殺意の波動から抜け出せないわ。だからあなたはもっと積極的に自分をアピールすることよ。『わたしはここよ!』ってね」
アリスはうれしそうに身を乗り出してわたしの肩を揺さぶった。
「彼に対してはとにかく女子力を発揮することよ。彼、きっと変わるわよ。愛に目覚めたら」
「愛、かぁ・・・」
わたしは上方に視線を向けながら吐息とともにつぶやいた。
『愛は何よりも強い』というけれど、確かに今のリュウにいちばん必要なのは愛かもしれない。だって、リュウが探し求めてきた「答え」が愛ならば、それが「真の強さ」なのかもしれないから。わたしは一縷の望みをつかんだような気持ちになった。
そしてあの格闘一辺倒のリュウが愛に目覚めたらいったいどう変わるのだろうとイメージしてみた。もしかしたら、愛の力で殺意の波動を正のエネルギーに反転させられるかもしれない。それがどんなものなのか想像もつかないけれど。
それよりも想像してしまうことがある。もしも、もしもリュウが『春麗』ってわたしの名前を呼んで微笑んでくれたなら? 彼と肩を寄せ合って見つめ合えたなら? 手を繋いでぬくもりを分かち合えたなら? それだけできゅん!と胸が締め付けられた。そんなささやかな想像でさえ、わたしの心は幸せな思いに満たされる。それはやっぱりリュウが「運命の赤い糸」で結ばれているからなの? わたしは熱く火照った頬に両手を当てた。
「うふふ。彼のおかげであなたはとってもきれいになるわよ、春麗。女は恋愛で身も心も磨かれて美しくなるんだから。今度は彼の方があなたにぞっこんに惚れこんじゃうかもよ?」
「アリスったら、からかわないでよ」
なんてにやけた表情で言いつつも、心はときめき弾んでいた。今日のワインはとびきりおいしくて、つい飲みすぎてしまいそうだ。
そうよ、彼を夢中にさせるくらい女を磨いていればいいんだわ。そのためにはリュウの相手になれるくらいに強くなっておかなきゃ。わたしはやめていた毎朝の稽古を再開することを決心したのだった。
「いい報告を待っているわ。あなたたちの仲の進捗状況をね」
アリスは振り向きざまに手を振った。その後ろ姿が小さくなるまでわたしはそこにたたずんでいた。
「あなたたち、か・・・」
別れ際に言ったアリスの言葉に、すてきな未来に夢を膨らませている自分がいた。わたしがリュウの力になれればきっと、リュウは殺意の波動から抜け出せる。そのとき彼はわたしを見ているはずよ。リュウとふたりで力を合わせたならベガを倒せるとさえ思った。だからお願い。ベガに捕まらないでいて。わたしがベガよりも先にあなたを捕まえるんだから。(了)
お目通しいただき、ありがとうございました。次回はあとがきです。
連載小説 その8
連載小説 その7
連載短編小説
春麗の女子会
~SFⅣエンディングからSFⅤゼネラルストーリーへ~
8
「ねえ、アリス。ひと目合ったときに、どうしようもないくらいの衝撃が胸に響いた感覚ってどう思う?」
アリスはわたしの目を見た。
「理屈とか条件とかじゃなくて、魂が響いたっていう感覚は、どう解釈すればいいのかしら。そんな感覚は無視してしまえばいいの? あなたならどうする?」
「春麗・・・彼に運命を感じてしまっていたのね?」
アリスは大きく目を見開いてからやさしく語りかけるように言った。そんなアリスに、本心を打ち明けたいと思った。
「どうしようもないことだってわかってる。あなたの言う通り、ジェリーのような現実的な人を選んだ方がいいのかもしれない。でもね、リュウと出会って確信したの。この人なら世界を救えるんじゃないかって。彼が殺意の波動をプラスに転じることができればベガから平和を取り戻せるかもしれないって。それは彼がベガに関わっているからなのか、好きっていう感情なのかよくわからないの」
「それは好きという感情を超えているのよ」
アリスは間髪を入れずに言った。
「あなたの心はさすらい人の彼で埋め尽くされている。ジェリーの入る隙もないくらいに」
わたしはアリスの言葉に息が止まりそうになった。
「あなたは何としてでもベガから彼を守りたいと思ってる。それに彼が殺意の波動から目覚めるためならば、どんなことでもしてあげたいと思っているわ。自由奔放の彼に何一つ求めてなんかいない。あなたは彼に恋しているんじゃなくて、すでに愛してしまっているのよ」
わたしは返す言葉が出なかった。むしろアリスの言葉によって、自分の本心に目が覚めたのだった。
「彼もあなたと同じように、あなたから衝撃を受けたとしたら? 運命の出会いって本当にあるのよ。わたしがそうだった。あのとき感じた衝撃は、確かに理屈も条件もすっとんでいて、この人だ!っていう直観みたいなものしか感じなかったわ」
「そうだったの!?」
アリスは深くうなずいた。アリスは去年結婚したばかり。相手はごく普通のサラリーマン。『お互い職種が違うからうまくやっていけるのよ』って言っていたことを思い出した。
「アリスから直観って言葉を聞くなんて意外だわ」
理系女子らしからぬ答えに思わず言葉について出てしまった。アリスは笑った。
「運命の出会いっていうのは、血が引き合う現象だと思うの」
「血?」
「ええ。人間には磁場があってお互いの血液の中の鉄が磁石のように引き合うのよ。プラスとマイナスが引き合う。これが磁性。それは誰にでも引き合うものじゃなくて血の中にある何かが関与している。ほら、東洋ではこういうことを確か・・・」
「運命の赤い糸」
「そう、それよ。その正体は糸をつむぎ合う二重らせん。つまり遺伝子の意図。要するに、結ばれるべき男女は人間の思考を超えた領域で血と遺伝子によって引き合わされているんだわ」
ロマンチックでなおかつ論理的なアリスの考察に、わたしは少なからず感動していた。だったらわたしはリュウの遺伝子にひかれたのだろうか。それならばリュウだってわたしに何かを感じてくれてもいいはず。
(つづく)
連載小説 その7
連載小説 その6
連載短編小説
春麗の女子会
~SFⅣエンディングからSFⅤゼネラルストーリーへ~
7
「彼、実力があるのに公式戦で名を馳せているわけでもない。それどころか家も職も持たない無名の放浪格闘家なんでしょう? それなのにベガやセスに狙われているってことは正真正銘の『本物』なのね。それでいて信頼できる人なら、最高の男性じゃない? そうでしょ、春麗」
確かにアリスの言う通りよ。でも、素のままの彼とどうやって関わっていくというの? わたしはこういうとき、たちまち消極的になってしまう。
「そうかもしれないけれど・・・好きになっても仕方ない人だわ」
「あなたって、普段は男性より強いのに、こういうことになるとすっかりしおらしくなっちゃうんだから」
アリスはため息交じりに苦笑した。
「だって・・・。彼は格闘ひとすじのさすらい人よ。一緒にデートしたり将来のことを語り合ったりなんてことを望める人じゃないんだもの」
「じゃあ、あきらめなさい。もっと現実的な人を見つけてあなたもちゃんと幸せにならなきゃダメよ」
「そうね・・・」
アリスが本当にわたしのことを気にかけてくれているのはよくわかってる。わたしも刑事生活6年目。うっかりすると女としてもっとも華やかな時期をベガのために費やしてしまいかねない。このことは心の片隅にずっと置きっぱなしになっていた。
「あなたのことを想ってくれる男性は他にもいるじゃない。たとえば、ジェリーとか・・・」
ジェリーはわたしの先輩にあたる台湾人。何かとわたしをフォローしてくれる頼りがいのある男性だ。ユーモアもあって周りの人たちからも好かれている。そんなジェリーからときどき食事に誘われることがある。彼のわたしを見る目はとてもやさしくて、特別な思いを向けてくれていることにわたしも気づいていた。
「ジェリーがね、わたしに聞いてきたのよ。『春麗は好きな人がいるのか?』って。『春麗は僕じゃだめなのかな、やっぱり彼女よりも強い男にならなきゃ相手にもしてくれないんだろうか』って言っていたわよ」
「そうなの!?」
「ええ。ジェリーは人望もあるしハンサムだし、あなたにはかなわないけれど格闘術の腕前も十分あるわ。彼を断る理由なんて見つからないと思うわよ?」
アリスの言いたいことはわかる。望みのない相手にいつまでもこだわっているなんて馬鹿げている。それよりもわたしをちゃんと見てくれる人と結婚して、ベガと関わりのない暮らしをしている方が幸せになれるはずなのに、どうしてもゆずれない自分がいる。そんな頑なな自分にときどき苦しくなることだってある。そんなとき、赤いハチマキの男の気持ちが、ほんの少しだけわかるような気がするのだった。わたしは素直に聞いてみたいと思った。
(つづく)
連載小説 その6
連載小説 その5
連載短編小説
春麗の女子会
~SFⅣエンディングからSFⅤゼネラルストーリーへ~
6
わたしはまさかと思った。だって、アリスがオカルトを持ち出すなんて思いもよらなかったから。とはいっても、この記事は科学的に考察した結果として書かれているようだった。その内容は、核DNAの解析の結果「オリジナル縄文人のDNAはアジアのどこにも見つからないもので、まったく新しい場所から発生している可能性がある」というものだった。わたしは記事の内容を理解しようと反復して文章に目を通していた。アリスはそんなわたしを横目に話を続けた。
「どうやらリュウの遺伝子に答えが隠されているようね。彼は縄文の遺伝子を色濃く受け継いでいるの。ケンにも縄文の遺伝子はあるけれど比率が違うの」
ベガもセスも、リュウの遺伝子を狙っていると考えれば納得がいく。支配者はもはや生命を蹂躙するのみならず、生命そのものを操作しようとしている。それもこの地球上で発生が謎とされている特殊な遺伝子を狙っている。これ以上生命の尊厳を踏みにじらせるわけにはいかない。わたしはリュウに担わされた希少な遺伝子を闇から守らなければならない使命感に駆られていた。わたしはアリスのタブレットに映し出された文字列を目で追いながら、やはりリュウはこの世界を闇から光へとひっくり返せるかもしれない最重要人物だと確信したのだった。
「データは他にもあるわ。あなたのパソコンに送っておいたから後でじっくり読むといいわ」
そう言ってアリスはわたしのグラスにワインを注いだ。
「久しぶりなんだもの、あなたも一杯どう?」
わたしは外出先ではアルコールを飲まないことにしている。道中でいつ誰と戦うことになるかわからないから。けれど今日は飲みたいと思った。アリスが提示してくれた新たな情報は五里霧中にいたわたしを導いてくれたから。
「そうね、久々の女子会。楽しまなきゃね」
わたしたちはあらためて乾杯した。
「ねえ、春麗。ベガやセスが欲しがるほど魅力あるリュウってどんな人なの?」
アリスは身を乗り出してわたしの目を見て微笑んだ。わたしはいよいよ「女子会」に切り替わったのを感じていた。
「どんな人って言われても・・・。日本人の武道家らしく、謙虚で礼儀正しくて・・・彼ほど誠実な格闘家に会ったことはないわ」
「信頼できる人なのね?」
「ええ」
アリスは頬杖をついてさらに身を乗り出してきた。
「あなた、好きなのね? 彼のこと」
「まさか!」
一気に頬が紅潮したのは、ワインだけのせいだけじゃない。でも、本当にリュウのことをどう思っているのかを聞かれても、答えられない。だって寡黙なリュウと話したことなんて数えるほど。それも刑事か格闘家としての立場で。とはいえ、こんなにリュウのことで頭がいっぱいになっているというのに、実際はリュウとのことを何も知らないという現実。でも、アリスに指摘されてみて、本当はリュウのことを好きなのかもしれないと認めざるを得なかった。だって、とっさにとぼけた自分がわざとらしすぎたから。
(つづく)